メーカー製パソコンの「修復インストール」は可能か? : パソコントラブル出張修理・サポート日記
メーカー製パソコンの「修復インストール」は可能か? : パソコントラブル出張修理・サポート日記
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まずは現象確認。
…うーん、確かに…。
F8連打でセーフモードを試してみましたが、
セーフモードですら起動しない状態。
うーむむむむむ…。
要は、Windowsを起動する段階で必要なファイルが、壊れたか何かなんでしょう。
もう6年以上は使い込んでいるWindowsXP機ですから、ハードディスクが異常をきたしている可能性は充分にあります。
ディスクチェックツールをいきなり使ってもいいんですが、物理故障だと、とどめを刺しかねません。
ただ、今回のパソコンは、会計データの入っているもの。
基本的には、会計関係は、責任能力の関係で、本来は触るわけには行きません。
でも、以前お世話させていただいたお客様ですので、なかなかむげに断れません。
とにかく、一応の責任の範囲とそういう危険性を説明して、基本的には、どんな対処でも、いつクラッシュしてもおかしくないことをご理解いただき、できることをやるしかありません。
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ウィンドウにiPodから音楽をコピーする方法とりあえず情報を探るところからですね。
事務所ですので、他にもパソコンはありましたから、そちらをお借りして検索してみました。
メンテ用のパソコンを使ってもいいのですが、やはり事務所の環境に勝手に外部のパソコンを接続するのは問題がありますので…。
とりあえずエラーメッセージで検索してみたら、質問掲示板の事例が多数出ます。
どうやらリカバリかインプレースアップグレード=修復インストールしか手はないらしい。
Error Message: Windows Could Not Start Because of an Error in... :Microsoftサポートオンライン
しかし…問題は、今回の機種は、富士通のWindowsXP機である、ということ。
リカバリCD-ROMはあっても、修復インストールはできず、Cドライブを消去してしまう「リカバリ」しかできません。
それをやると、100%間違いなく、データや会計ソフトは吹っ飛んでしまいます。
それだけはできません。
また、私が回復コンソール起動用として持っているアップグレード版のXPのインストールCDでは、仮に修復インストールをやってみたところで、メーカー製パソコンとはプロダクトキーの種類が違うため、プロダクトキーを入力しようにも、パソコンの筐体に貼ってあるキーは合わないので、修復インストールが完了できないのです。
うーん…何か方法はないのか…。
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そこでピンと来た。
検索用として借りているのは、DELLのデスクトップパソコン。
VCLのファームウェアをアップデートする方法DELLのパソコンの再インストール用CDは、ラベル面こそDELLロゴのある「再セットアップディスク」ですが、リカバリCD-ROMではなく、OEM版のWindowsのCD-ROMとほぼ同じもの。
富士通のパソコンにインストールされているWindowsも、本来はOEM版です。
うまくいけば、DELLの再セットアップディスクを使って修復インストールが可能なはず。
これを使って新たなインストールをするわけじゃないですから、違法コピーにはならないでしょう。
いずれにしても、このまま手をこまねいていても、リカバリぐらいしかできません。
できることはやってみましょう。
DELLの再セットアップCD-ROMをお借りして、今回の問題の出ている富士通のパソコンにセットして、再起動です。
CD-ROMから起動させて、Windowsセットアップから「修復インストール」を選んで実行。
必要なファイルをコピーし始めて、再起動。
おっ!Windowsロゴが出た!
と喜んだのもつかの間、Windowsのセットアップの続きを始めた。
残り約34分とか出てます…。
こりゃしばらく待つしかないですね…。
「昨日まで全然問題なかったのに、なんで…治りますかねぇ…」
…うーん、この手のトラブルに遭遇したお客様は、皆さんそうおっしゃるんですけどね…。
パソコンの起動トラブルって、ホントにある日突然、前触れもなしに発生することが多いですから、昨日まで動いてたとか今朝まで大丈夫だったとか、時にはついさっきまで正常だったとかいうことはしょっちゅうなんですよね…。
途中で時間帯の確認を求められたりで、OKボタンなどをクリックする場面がありましたが、やり過ごしてまた再起動。
さて、うまくいくのか…。
しばらくすると、XPの初期セットアップの画面が出てきた。
新品を購入したときの一発目の電源投入時に出る、アレです。
リカバリ直後も同じ画面になりますね。
この辺は、いつもなら適当に「次へ」とか押せばいいのですが…。
改めてユーザー名の登録画面が出てきた。
ここで、先に使っていたユーザー名を入れてもいいんですが…設定が上書きされると目も当てられない。
よくよく見たら、「次へ」ボタンに並んで「省略」というボタンがあった。
通常のセットアップでは、これは見たことないですね…。
今回はこの「省略」を押しておきましょう。
セットアップを完了させて、Windowsの起動を待っていると…。
トラブル発生前に使っていたユーザー名と共に、ようこそ画面が立ち上がりました!!
ユーザー名を選択し、パスワードを打ち込んでもらうと、なにやらライセンス認証を取れとかいうメッセージが。
うーん…コイツはOEM版のはずなので、ライセンス認証は必要ないはずなんですが…。
後でもできるだろうと「キャンセル」をクリックすると、ログオフしてしまいました…。
またようこそ画面でユーザー選択待ち状態。
もう一度パスワードを打ち込んでログイン。
またライセンス認証のメッセージが出るので、今度は「OK」(だったかな?)をクリック。
プロダクトキーの入力を求める画面が出ました。
プロダクトキーの書いてあるシールの形は、アップグレード版などのオレンジの長方形ではなく、OEM版やDSP版を示す、レーザーホログラムのついた角丸ステッカーを表示しています。
これは、筐体に貼り付けてあるシールと同じです。
筐体のシールを確認し、シールに書いてあるプロダクトキーを慎重にメモして、画面に入力。
LANケーブルはつないであるので、LAN経由インターネットでの認証です。
さて、通るか…通ってくれ………。
ライセンス認証が無事通った表示となり、「OK」ボタンを押したら…。
デスクトップが現れてきました!!!
デスクトップアイコンも、お客様に見てもらったら、トラブル発生前の状態そのまま、全て元通りになったようです。
会計ソフトを起動してもらうと、きちんと起動しますし、バックアップ機能も正常に動作しました。
なんとかなったようです。
一気に緊張が解けました…。
とりあえず、修復セットアップですので、今後の運用で何が起こるかは予測ができません。
うまくそのまま動いてくれることも充分考えられますが、本来ならば、データ救出をしてからリカバリをお勧めするところです。
その辺の状況を改めてご説明して、今回の作業は完了です。
それにしても、たまたまDELLのパソコンがあり、DELLのパソコンが「リカバリCD」形式じゃなくて、本当に助かりました。
でも、今回はごくまれな、幸運な事例の一つでしょう。
修復セットアップがうまくいくのは、本当に限られた状況だと思います。あくまで事例の一つです。
後日、とてもご丁寧なお礼のメールが来ました。
一応はまともに使えているとのことです。
改めて、パソコンの買い替えとかリカバリを検討したほうがいい、とお伝えはしておきました。
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